滋賀県産小麦粉「びわほなみ」を試しています!

私は待ちに待っていた…

うどんに適した滋賀県産小麦粉を!!

 

そして長年の品種改良がついに実って完成し、流通をスタートしたとの情報を得ました。

これはもちろん試さないといけません。

期待を500%こめて「びわほなみ」を仕入れました!

 

「びわほなみ」は、こういう粉。

「温暖地西部向け日本めん用小麦」とされる、びわほなみ。

北見81号と中国153号との交配からうまれ、収量の多さと製粉性の高さが特徴で、普及が見込まれています。

灰分が低く、輝くような白さ。

低アミロースで、もっちりとしてなめらかな麺になることが期待できます。

ちなみに業務用としては、すでにこのような体で流通しています。

そして家庭用の1kg単位での販売なども始まっているようですね。

ご家庭でのおうどん作りや、パン作りに、あたらしい小麦粉「びわほなみ」をもうすでに試せる環境ですね。

 

びわほなみ100%のうどんを打ってみた。

練り

さて、まずは塩水で練ります。

室温26℃、加水率46.0%、ボーメ13.2でスタート。

水和に特徴があり、水回しがちょっと難しめ。

加水ムラが出やすく、糸をひくような繋がりがすぐに多数できてしまいます。

ぽろぽろとこぼれる米粒のような感触を理想としていた虹やの練りにはない、初めての感触です。

 

これをビニールにうつして箱踏みしたら、この状態で一晩寝かせます。

どんな生地になってるか、翌朝をたのしみに待ちます。

 

踏み

そして翌朝。

一晩の熟成を経た生地を、踏み鍛えていきます。

踏んでは畳み、また踏んで、数時間熟成させ…

この工程を何度もくりかえします。

 

団子

二晩の熟成を経て、また翌朝。

今回試しに練ったのは3kgの粉。

これを1kg分ずつに切り分けます。

そして1kg分ずつを手でこね、団子状にします。

理想の生地の状態にはまだ遠いものの、初めての「びわほなみ」試作としてはまずまずの仕上がり。

 

延ばし

団子を、麺棒で延ばしていきます。

讃岐系のうどん打ちの特徴である「すかし打ち」です。

虹やは讃岐系のうどんから麺づくりを学びましたが、その後は独自の工程をかなり盛り込んでいったので(ここには書きませんが)、いわゆる「讃岐うどん!」ではないですね。

「何うどん?」

…というのは気にせず、おいしいうどんを目指しています。

 

切り

延ばした麺生地を屏風折りにし、包丁で切っていきます。

駒板をのせて、リズムよく。

呼吸ひとつ狂うと麺線が乱れるため、この時は話しかけられても返事しません。笑

これでいよいよ「麺」になりました!

…が、虹やではこの切りたての麺をお出ししません。

切り終えた麺はさらに数時間の低温熟成をし、麺の緊張感をほどよく解いてから茹でます。

 

茹で

さて、これが最後の低温熟成を終えた、生麺の完成形です。

違い、分かりますか?

いやもう難しいですね、はやく茹でて食べましょう!

中細麵が基本の虹やの茹では、およそ12分。

もちろんそれは現在の話で、新しい粉を試していくうえで変化させる可能性もあります。

これが正解!というものがない難しさと、そしてそこが愉しさでもあります。

 

さて、いよいよ茹で上がり。

てのひらですくった麺がすでに、いままでの麺とまったく違うものだと語っています。

ぜんぜん違う。

冷水でキュッと締めて、器に盛ります。

 

びわほなみを食す!

シンプルに、麺だけでいただきました。

そして感想は…

…それは食べた方それぞれのものなので、ここでは書きません!

店側から言うことではありませんしね。

こうして始まった試作も回を重ね、6月からはお客様へ提供している麺にも「びわほなみ」をブレンドしています。

いずれは100%びわほなみの麺を目指していますが、粉を変えるということは、うどん屋にとってそう簡単なことではありません。

完成には1ヵ月? 1年? 何年?

どれだけかかるか分かりません。

焦らずじっくり、今日もおいしいうどんを目指していきます。